コラム
オンライン接客とは|ツールや事例、メリット・デメリットを紹介
オンライン接客の導入を検討する際は、あらかじめ「オンライン接客がユーザーにどんな効果をもたらすのか」「ユーザーがオンライン接客に何を求めているのか」などについて理解する必要があります。その前提として、オンライン接客とはそもそもどんなものなのか、ツールを選ぶ際のポイント、手軽に導入できる実際のツールなどについて解説します。
目次
オンライン接客とはオンライン上で行われる有人接客のこと
そもそも、オンライン接客とはオンライン上で行う有人接客のことです。AIや自動応答プログラムが対応するのではなく、人と人がWeb上でリアルタイムにコミュニケーションを取りながら接客する方法です。
一般的な方法として、
・Webカメラを利用したビデオ通話
・リアルタイムチャットによるテキストベースでの会話
・オンライン上で開催するセミナーやライブ販売
などがあります。
ユーザーはインターネットを利用できる環境さえあれば、時間も場所も関係なく接客を受けることができます。また、実際のスタッフや店員が相手をしてくれているという安心感があります。
オンライン接客とWeb接客の違い
オンライン接客と似た意味合いで使われる表現に「Web接客」があります。「オンライン接客=Web接客」という意味で使われることもありますが、同じWebを使った接客でも提供するサービスが異なります。
オンライン接客はあくまでも有人の接客であり、Web接客はAIや自動応答プログラムを利用した無人接客を意味します。
たとえば、Web上でのチャットを利用した接客でも、
・オンライン接客:人間が対応するのでユーザーの個別対応が可能
・Web接客:AIや自動応答システムによる対応のためユーザーの個別対応は不可
などの違いがあります。
オンライン接客のメリット
オンライン接客を取り入れるメリットは、大きく分けて3つあります。
1.リピーターを獲得しやすい
2.購入につなげやすい
3.ついで買いや単品購入から定期購入への切り替えにつながりやすい
具体的に紹介します。
1.リピーターを獲得しやすい
オンライン接客では、実店舗での接客と同じようにスタッフがユーザーとコミュニケーションを取ることができます。
たとえば、
・ユーザーの悩みや疑問などに対応しながら商品詳細を紹介する
・商品の使用経験があるスタッフの体験談を交えて説明する
・話し方やユーザーとの距離の詰め方など、スタッフの個性を生かした接客を行う
など、コミュニケーションという点では実店舗と遜色ない接客が可能です。ユーザーにとっても来店する必要がないため、オンライン接客にメリットを感じてもらえれば再度、利用する意向は高まるはずです。
2.購入につなげやすい
ECサイトやチャットでの無人接客は、商品購入までの意思決定をユーザーが一人で行います。そのため、検討中の商品が自分の望みに叶ったものなのかどうかを、Web上にある情報だけで判断する必要があります。
ユーザーの中には、商品を購入するためにいくつものWebサイトを行き来し、口コミを探して購入する人がいますが、納得できるほどの情報がないと購入自体を諦めてしまう可能性もあります。その点、オンライン接客は、スタッフからユーザーが必要としている情報を伝えることができます。疑問点や不安もその場で解消できるため、購入につながりやすいといえます。
3.ついで買いや定期購入への切り替えにつながりやすい
オンライン接客の場合、ユーザーが商品の購入を決断した後も、「こちらもいかがですか」「継続して利用されるなら定期購入がお得です」「あと300円分で送料が無料になります」などの案内を行うことができます。
ECサイトなどで同様の案内を掲載しても無視されることが多い一方、有人接客では個々のユーザーに対して最適な提案をすることができます。
オンライン接客のデメリット
オンライン接客にはデメリットもあります。
代表的なものとして、
1.スタッフ教育に時間がかかる
2.接客内容によってはユーザーが不信感を抱いてしまう可能性がある
の2つが考えられます。
1.スタッフ教育に時間がかかる
オンライン接客は、実際に人が接客をするものの、実店舗での接客とは異なるテクニックが必要となります。
例えば、
・カメラの前での話し方や立ち居振る舞い
・商品を見せる角度やライトの当て方
・チャットでユーザーと会話する際の文章テクニック
・誤解を与えない表現と伝え方
・ライブ配信の失礼のない始め方と終わり方
など、実店舗での対面接客では意識する必要がない部分まで、オンライン接客用にマニュアル化し、対応する社員やスタッフを教育する必要があります。また、ツールの使い方を覚える必要があるため、実際にオンライン接客ができるようになるまでにはある程度の時間が必要となります。
2.接客内容によっては不信感を抱く可能性がある
対面接客でもユーザーの意向を読み間違え、不信感を持たれてしまうことがありますが、オンライン接客でもそれは同様です。オンライン接客の場合、ユーザーとの距離感が実店舗とは異なるため、ユーザーとうまく意思疎通ができない可能性もあり、すれ違いがきっかけでクレームにつながってしまうこともあります。
オンライン接客の代表的な方法とは
オンライン接客を実現するための代表的な方法は、下記の4つです。
1.SNS
2.ビデオ通話
3.有人チャット
4.VR(Virtual Reality)
1.SNS
SNSは、文字でのメッセージだけでなく画像・動画も配信可能で、アカウントをフォローしている人と直接連絡が可能なソーシャルネットワークのこと。
●文章でのチャット形式のやりとり
●画像や動画を交えた販促活動
●個々のユーザーと直接のやりとり
●ライブコマース機能によるテレビ実況のような販売会
などの接客方法が考えられます。
2.ビデオ通話
ビデオ通話では、画面越しにスタッフとユーザーが実際に会話をしながら接客を進めることができます。
●一対一のオンライン商談
●一対複数の講義形式のセミナー
●複数対複数の販売会
など、一対一だけでなく複数に対する接客も可能となります。顔を確認しながら接客できるため、ユーザーも安心感があり、スタッフもユーザーの反応を見ながら会話することができます。
3.有人チャット
有人チャットは、テキストベースのコミュニケーションになるため、顔を見せる必要がなく、声色を変える必要もないため、ユーザーも気軽に利用できます。しかし、細かい感情が伝わりにくく、すれ違いが生じやすいため注意も必要です。
よくある質問などはチャットボットでの返答に任せ、細かな相談や接客は有人チャットに切り替えるなどの併用も可能です。
4.VR(Virtual Reality)
VR(バーチャルリアリティ)は、インターネット上に仮想店舗をつくり、ユーザーに来店してもらう方法です。
「商品棚から商品を取る」「近くに寄せて見る」「カゴに入れる」などの動作も可能です。仮想世界の中ですが、実際に来店しているかのような感覚を体験することができます。
オンライン接客でユーザー満足度を高めるには?
オンライン接客でユーザーに満足してもらうには、「ユーザーが自己解決できなかった問題をオンライン接客で解決へ導く」ことが必要です。
具体的には、
・ユーザーとの距離感を適切に保つ
・店舗に滞在しているかのような気分になれる商品画像や説明を用意する
・イレギュラーな対応へのマニュアルを作成しておく
・他のマーケティング施策との相性を考える
・オンラインの地理的・時間的・空間的なメリットを活用する
といったことが考えられます。
また、オンライン接客だけで終わるのではなく、その後のユーザーとの関係性維持、ユーザーがなぜオンライン接客を求めていたのか、などを考えておくことが満足度向上の鍵になりそうです。場合によっては、営業時間前後にオンライン接客を行う、他の商品を紹介するために店舗内を案内するなど、オンラインの特性を生かして柔軟に接客を行うこともポイントです。
オンライン接客ツールを選ぶポイント
オンライン接客に必要なツールを選ぶポイントについて紹介します。
・運用に必要な時間と労力が負担にならないか
・操作が簡単か
・ユーザーに負担がかからないか
運用に必要な時間と労力が負担にならないか
オンライン接客を導入するからといって、オンライン接客専用にスタッフを増員するわけにはいきません。それでも、全て有人接客で対応するのではなく、場合によってはチャットボットを利用するなど、運用リソースを軽減させる方法はあります。
ツールによっては自動対応と有人対応を切り替えることができるものもあるため、スタッフの人数や稼働状況を踏まえ、負担にならずに運用可能なツールを選ぶことも重要です。
操作が簡単か
オンライン接客ツールは、店舗スタッフを中心に活用することが想定されます。Webツールに精通しているスタッフが利用するわけではないため、操作が簡単なツールの方が業務負担を軽減できます。また、トラブルがあった場合のアフターフォローが充実しているツールであれば、安心して運用することができるかもしれません。
ユーザーに負担がかからないか
オンライン接客を実現するためのさまざまなツールがありますが、複数ツールが必要だったり、登録が必要だったり、専用アプリをダウンロードする必要があったりと、ユーザーの負担が増えてしまう可能性もあります。結果、利用率が著しく低下するなどのリスクもあるため、ユーザー観点でも手間や操作性などを考慮し、ツールを選ぶことが必要です。
オンライン接客にLINEを利用する
LINEマーケットプレイスには、LINE公式アカウントでオンライン接客やチャット(ビデオチャット)を実装できる、さまざまな拡張機能が紹介されています。
LINEマーケットプレイスを利用すれば、アプリやシステムを自社で開発することなく、月額費用だけで目的の機能をLINE公式アカウントに追加することができます。
LINEマーケットプレイスで目的の機能を探す
LINEマーケットプレイスの中から、オンライン接客を実現するために活用可能な機能を紹介します。
「かわりに聞くね」Kawarii
「かわりに聞くね」Kawariiは、オンライン接客前の基本的な質問をチャットボットが代わりに聞いてくれるシステムです。事前に基本的な質問を自動で取得してくれるため、スムーズにオンライン接客に移行することができます。月額費用も4,000円と安価です。無料トライアル期間も設けられています。
「かわりに聞くね」Kawarii 公式サイトはこちら
診断bot
診断botでは、LINEのトーク画面に表示される診断コンテンツを作成することができます。例えば「あなたにおすすめのトレーニングメニュー診断」「今の気分で選ぶ今月のおすすめメニュー診断」といったオリジナル診断を簡単に作成し、LINE公式アカウントから配信可能です。
診断結果を元にオンライン接客につなげることも、商品・サービスを紹介することも可能です。月額費用は9,800円。無料トライアル期間も設けられています。
※診断結果を元にしたメッセージ送信は「診断bot+」を利用する必要があります。
「診断bot」公式サイトはこちら
オンライン接客の導入事例
上記にて紹介した「診断bot」の導入事例を紹介します。
ストレッチ系YouTubeチャンネル「オガトレ」では、LINE公式アカウントに「診断bot」によるコンテンツを実装し、ユーザー一人ひとりに合わせた最適な動画コンテンツを紹介しています。
「自分に合うストレッチが何かわからない」という視聴者の悩みに対し、LINEのトークルームで簡単な設問に回答することで、個々の悩みに合致した適切な動画をレコメンドする仕組みを実現。LINE公式アカウントの友だち数や動画の再生回数、定額制サービスの登録者数を増加させています。1日で1,000人以上の友だちが増加した日もあり、定額制サービスの登録に関しても「間違いなく、診断botの相乗効果があったと考えている」と言います。
オンライン接客ツールは自店のユーザーやスタッフと相性のいいものを
オンライン接客ツールは、自社を利用しているユーザーが実店舗に求めている体験をオンライン上で再現するものです。
満足度の高いオンライン接客を提供するには、ユーザーもスタッフも使い心地がよく、ストレスを感じないツールを利用するのが適切です。オンライン接客に直接関わるスタッフはもちろん、販促や営業に関わるスタッフともよく意見交換をして選別してください。
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