コラム

事例
2021.09.16

予約数が1.5倍に増加!LINE公式アカウントからのオーダー機能で機会損失を防ぐスイーツ&ベーカリー店



平安セレモニー株式会社 佐藤 宏 氏、高津 和樹 氏
株式会社チューズモンスター 山本 直史 氏

新潟上越市・高田城公園にほど近い場所に店舗を構える「REGINA SWEETS & BAKERY」は、モバイルオーダー実現のため、LINE公式アカウントの開設とLINEマーケットプレイスの拡張機能「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」を導入しました。

 

同店のLINE公式アカウント活用について、運営会社である平安セレモニー株式会社の佐藤宏氏(以下、佐藤氏)と高津和樹氏(以下、高津氏)、「どこでも注文くん」の開発会社である株式会社チューズモンスターの山本直史氏(以下、山本氏)に話を聞きました。

来店客をLINE公式アカウントの友だちへ誘導

新潟・上越市高田でスイーツやパンを提供している「REGINA SWEETS & BAKERY」は、広々とした店内中央に焼き立てのパン、ガラスケースには人気のスイーツが並び、テイクアウト購入のほか、カフェとしても利用できる地元の人気店です。

同店を運営する平安セレモニーは、上越市や糸魚川市、妙高市を中心に冠婚葬祭サービスを手がける企業ですが、関連事業の一つとして2015年10月にREGINA SWEETS & BAKERYをオープンしました。

 

2020年11月にはLINE公式アカウントを開設し、店内に「友だち追加で会計5%のクーポンプレゼント」という案内を掲示したり、レシートにQRコードを記載するなどして来店客をLINE公式アカウントに誘導してきました。友だちに対しては、新商品の告知やグループ会社のイベント施設で開催するデザートビュッフェの案内、クーポンなどの情報を配信しています。

「REGINA SWEETS & BAKERY」のLINE公式アカウント プロフィール画面

カフェサービスの利便性向上のためモバイルオーダーアプリを検討

LINE公式アカウントを開設した背景について、佐藤氏は「そもそものきっかけは、店内にモバイルオーダーの仕組みを導入したいと考えたからです」と説明します。数年前からチェーンのコーヒー店やファストフード店では、事前にスマホアプリを通じて注文・決済を行い、店舗に商品を受け取りに行くモバイルオーダーの普及が進んでいます。REGINA SWEETS & BAKERYでもカフェ利用のユーザーが多く、現場スタッフとユーザーの利便性を高めるためにモバイルオーダーの導入を検討していました。

 

注文・決済のプラットフォームとしてLINEを選択したのは、「プラットフォームとしての認知度と、あらゆる年代のユーザーが使っており、利用のハードルがない」という理由から。佐藤氏と同じチームで飲食事業の現場管理を行う高津氏も、「LINEで注文や決済が完結したほうがお客さまにとっても使いやすい」と賛成。LINEマーケットプレイスで、LINE公式アカウントと連携可能な拡張機能を探しました。

迅速な返答、適切なフォローで「どこでも注文くん」を採用

いくつかの機能を検討して問い合わせてみたところ、真っ先に返信があったのがテイクアウト・デリバリーが実現できる「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」の開発を手がけるチューズモンスターでした。2019年創業のチューズモンスターは、飲食店向けに店内でセルフオーダーが実現できる「いつでも注文くん」の開発・提供を行っていました。しかし、新型コロナウイルスの影響でテイクアウトサービスを始める飲食店が増えたことから、テイクアウト・デリバリーに特化した「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」を開発しました。

「テイクアウト用のアプリなどが登場し始めた当初、決済機能を備えるものは少なかったのですが、いち早く注文・決済機能を実装し、店舗内における非接触でのオペレーションを支援してきました」(山本氏)

テイクアウト・デリバリー どこでも注文くん」は、ユーザーがLINE公式アカウントと友だちになるだけで簡単にテイクアウト・デリバリーの注文が可能。加えて売上・顧客情報の管理や注文確認、LINE Payやクレジットカード決済にも対応しており、店舗側もタブレット1台とインターネット環境さえあれば、簡単に導入できる

平安セレモニーの佐藤氏と高津氏は、問い合わせに対する対応の丁寧さ、導入後のフォローアップも親切だったことから、「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」の導入を決断。導入当初はカフェのモバイルオーダーとして利用することを想定していましたが、誕生日や記念日ケーキの予約受付にもアプリを活用するようになりました。

 

「これまで、予約受付に関しては佐藤が予約フォームを作成し、フォームの新商品情報を更新しながら入力された予約情報を管理するという業務を担当していました。管理工数の負荷が高く、情報更新にタイムラグが生じるなどの課題があったため、これをアプリで解消したいと考えました」(高津氏)

 

店舗の営業時間は朝10時から夕方18時まで。誕生日や記念日用のケーキを注文しようと思っても、多くの人が仕事を終えて帰宅の途につく頃には閉店しているため、予約は営業時間内にスタッフが電話で受けていました。予約フォームは、忙しくてなかなか予約の電話ができないというユーザーのために設置したものですが、アプリに切り替えてからはLINE公式アカウント経由で24時間受付が可能になりました。電話を受けるスタッフの工数も削減され、情報更新も簡単なことから、「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」の活用法は予約受付が中心になっていきます。

ホールケーキの予約が以前の1.5倍、今後も拡大策を推進

「テイクアウト・デリバリーどこでも注文くん」で予約受付を開始してから、記念日ケーキの予約件数は急増。ユーザーはLINE公式アカウントのトーク画面から、購入したい商品と「記載するメッセージ」や「ローソクの本数」などを回答するだけで予約が完了します。店舗側もユーザー単位で注文履歴を管理することができます。

LINE公式アカウントのトーク画面下部「リッチメニュー」の「注文する」をタップすると、それぞれの商品予約の選択肢が表示される

また、電話でもフォームでもなく、LINEのトークから簡単に予約ができる点がユーザーから好評で、予約数は導入前に比べて1.5倍まで増加。導入3カ月後にはLINE経由の予約売上だけで月数十万円を記録するまでになりました。

 

「ユーザーの予約時間を見ると、夜23時や0時近くに注文が入るケースが多く、夜寝る前に『予約しておこう』と思い出すお客さまが多いというのは意外な発見でした。これまでは営業時間の関係で夜に予約したいと思っているお客さまの機会損失があったと思いますが、LINE公式アカウントから手軽に予約できるようになり、予約数も増えたと予測しています。また、メッセージの開封率や反応がとても良いというメリットも実感しています。例えば、新商品の案内など、同じ内容をSNSでも発信しているのですが、LINEのメッセージ開封率はSNSと比較して4倍ほど高い数値を記録しています。予約にもつながりやすいなど、メッセージ後の反応も高く、非常に役立っています」(高津氏)

 

今後は予約数のさらなる向上を目指すため、友だち獲得へのアプローチも積極的に展開していく予定です。

 

「LINEの友だち獲得を促進するのであれば、店内セルフオーダーシステム『いつでも注文くん』との併用や、LINEの友だちになってくださったお客さま向けの施策など、追加のご提案も含め今後も手厚くサポートさせていただきます」(山本氏)

 

「今後の展開を踏まえ、店内のオペレーションをさらに工夫することで、店舗のファンや友だちを増やし、予約注文を拡大したいと考えています」(高津氏)

 

(公開:2021年9月、取材・文/岩崎史絵)